Interior has the power to enrich your life .

news

exhibition | 太田一永

2025 . 08 . 31

太田 一永
  - 2025.09.06 – 10.05

野生の鹿や猪など、人間側から「害獣」と呼ばれ駆除された命。
太田一永さんは、その革を素材として作品を生み出します。

「害」という名を背負ったその存在に、
新たな意味と温もりを吹き込む革製品。
それは、自然の中の“何か大きなものの一部”を
手にしているような感覚を与え、
同時に優しく柔らかな美しさを纏っています。

使用される野生の鹿や猪の革の中でも、
野生の鹿や猪が垈打ちをした荒々しい部分も見受けられます。
そんな革を染色するのにも、
中々相性が良い染料が見つからなかったそうでした。

そんな中、太田さんのお子さんと
オシロイバナで色水遊びをされたことをきっかけとして、
植物染めの相性がいいことを見つけられました。
アクセントにご自宅の庭で採取された草木を擦ったりと、
彩りとして大胆にその革に落とし込む制作スタイルを確立されました。

駆除された命の大切な革と植物の彩りを融合することで、
太田さんの日常から生まれる等身大な自然を表現されています。

人間と動物、そして自然との関わりは、
私たちにとっても他人事ではありません。
“自然の豊かさ”は、私たちの”暮らしの豊かさ”そのもの。

だからこそ、失われつつある命の物語を、
私たちは無関係のままにはできません。

暮らしを豊かにすることをお手伝いする、
わたしたちOusiaは害獣として駆除された命の尊さと向き合い、
暮らしの道具として太田さんの作品たちを展示いたします。

共存というセンシティブな問いに、
ひとつの答えだけは存在しないからこそ、
太田さんの作品は静かに、しかし確かに、
私たちへ問いかけます。

 

back to list. . .